皆様、こんにちは。サプール協会日本支部の事務局を務める㈱アウニー(代表・増田)です!
今回は、7月13日から18日まで博多阪急で開催された展示会「THE SAPEUR in HAKATA HANKYU by SAP CHANO」についてレポートします!
「サプール」は、アフリカのコンゴ共和国ならびにコンゴ民主共和国でみられるファッション文化のことで、また、それを楽しむ人々のことを言います。彼らサプールは、平均月収3万円ともいわれる貧しい生活の中で、週末になれば、その何倍もする高級ブランドのスーツやネクタイ、アクセサリーを身にまとい、陽気なステップで外を出歩きます。
日本人で唯一、サプールを撮り続けている写真家のSAP CHANOさんによれば、サプールの始まりは今から100年近く前にさかのぼることができ、ギネス・ビールのCMに起用されたことで、欧州で一気に有名になったとか。数年前には日本のテレビでも紹介されました。“服が汚れるから争わない”という精神の下、非暴力主義を貫く“平和の使者”としても知られています。
そんな彼らの精神と陽気さは、世界中のサプールファンを元気にしてくれます!
私、増田も、サプールに共感し、いつも彼らから元気をもらっている1人です!
今回の「THE SAPEUR in HAKATA HANKYU by SAP CHANO」では、SAP CHANOさんが撮影した写真約150点をピックアップ。
コンゴ共和国・首都ブラザヴィル側のカラフルなサプールと、コンゴ民主共和国・首都キンシャサ側の「Yohji Yamamoto」を着こなしたモノトーンのサプールの両方を紹介しました。
また会場では、サプール協会日本支部が写真集やポスター、ジャケット、カラーシューズなど関連グッズを販売。このほか、サプールに共感してくれた複数のクリエーターが製作した小物、浴衣、傘といったグッズも販売し、人気を集めました!
17日は、SAP CHANOさんと、ミュージシャンでアフリカンストリートカルチャーを発信するKEIKO OKUMURAさんとのトークショーも開かれました!
KEIKO OKUMURAさんは、アフリカポップミュージックの大スターでコンゴ民主共和国出身の故パパ・ウェンバさんとも活動していた人で、現地サプールの間でとても知られている人です。
トークショーでSAP CHANOさんはサプールについて、男性だけでなく女性もいること、親から子へ受け継がれることが多いことなどを解説。「同時に、『ファッションが好きならサプール』とポジティブに考えられている」とも語りました。
また、新型コロナでサプールでもマスクをする人がおり、「あるサプールのマスクにはYohji Yamamotoの『Y-3』が描かれていた。そんなマスクがあるのかと尋ねたら、自分のY-3の靴下を縫ってマスクにしたそうだ(笑)」といったエピソードも語ってくれました。
この話を受けてKEIKO OKUMURAさんは、「彼らはお金がないから、全部自分たちで作ることが根付いている。楽器も自動車のタイヤや掃除機のホースなんかで作る。まさにサバイバルはクリエーション。『何もないおかげで我々は創造することができる』と、彼らはいつも誇らしげだ」と教えてくれました。
なお今回、SAP CHANOさんはどうしても来場者に紹介したかった作品を本邦初公開しました。
それは、ウクライナの情勢を受けて緊急取材した欧州に住むサプールたちのウクライナへの想いを伝えた写真です。
中でも、キンシャサ出身でベルギー在住のサプール・PAPA YOYOさんの言葉は、私たちの心を揺さぶります。
「世界はアンフェアだ。アフリカ各国では今でもウクライナ同様の惨劇が進行している。しかし、誰もウクライナのように寄り添うことはない。世界はウクライナ同様、もっとアフリカに目を向けるべきだ。そうじゃないと、アンフェアだ」(PAPA YOYOさん)
“平和の使者”が言うアンフェア。
SAP CHANOさんは「視野を広げることが重要だという彼らの想いを伝えたかった」と語ります。
今回私たちは、いつもサプールからもらっている元気とともに、大切なメッセージを受け取りました。
ぜひ多くの皆様にも伝わりますように。
サプール協会日本支部では、引き続き各所でイベントを計画していますので、その際はぜひ会場にお越しください!
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